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このコラムでは、座った状態で起きるガスもれを防いだり減らす対策を解説しています。ある程度予備知識が必要ですので、
を先にご覧になってから、お読みください。
注意点ですが、この対策はガスもれを起きにくくするものです。治らないわけではないのですが、これだけでは長い時間がかかります。鍼灸治療と併用することを強くおすすめします。
ガスもれは肛門をコントロールする神経の障害が原因で発生するのですが、この神経の障害は不適切な姿勢で座っていることで起きます。学校の授業やデスクワークなど長時間座り続けなければいけない状況はよくありますので、この座っている状態(座位)のガスもれ対策は非常に重要です。まず座位でなぜガスもれが起きるのかを説明します。その後適切な理想の姿勢のとり方を解説していきます。
座った状態でガスもれが起きるのには、2つの原因があります。1つは神経の圧迫、もう1つは肛門の緩みです。
・神経の圧迫について
お尻には肛門をコントロールする神経があります。場所は図の赤い部分です。
陰部神経の場所
この赤い部分に持続的に圧迫が加わることで、神経がうまく機能しなくなり肛門の動きもおかしくなります。具体的には肛門がしっかりと締まらない、ガスが来ても感じられないなどです。ではどんな時に圧迫が加わるかですが、下記の2種類があります。
常にお尻に力を入れている
ガスもれを気にする人は、もれを防ごうとして肛門だけではなくお尻全体に力を入れてしまいます。これを続けていると自覚無く常にお尻に力が入っている状態になります。神経は筋肉の間を通過していますので、圧迫をうけて正常に動けなくなります。
体重をかけて圧迫
座っている時に骨盤が後ろに倒れていると、上記の図の神経がある部分が体重で圧迫されてしまいます。猫背やお尻を前にずらして座るなどが該当します。例えば後ろの席の人にガスがいかないよう、肛門を前に向けるイメージで思いっきりお尻を前にずらして座る人がいますが、この姿勢は神経が強力に圧迫されますので、逆にガスもれがひどくなります。
不適切な姿勢の例
・肛門の緩み
骨盤を左右に傾けると肛門が緩みやすくなります。あぐらをかいて座っている人がお尻の片方を持ち上げておならをするという場面を見たことがあるでしょう。これは左右に傾けることで肛門を緩め、おならを出しやすくしているからです。また足を組んで座ると当然左右に傾きます。足首を組んだだけでも傾きます。他にも、どちらかにお尻をずらして座っている人は多く見られます。例えば肘を付く癖があれば、ついている方向へお尻がずれています。ノートを傾けて(大体は右上左下)書いているときは傾けているのと反対方向にずれています。この状態では肛門に隙間ができやすく、そこから少しずつガスがもれることがあります。
ちなみに、これらの姿勢の悪さが原因でガスもれを起こしている場合は、夕方になるにつれもれがひどくなる・腰痛を伴うなどの特徴があります。心当たりがあればぜひ姿勢を良くしましょう。
ガスもれを減らす正しい姿勢とは、陰部神経の場所に圧迫をかけず(一番上の画像参照)、骨盤が左右に傾かない真っ直ぐな姿勢です。
まず前後方向を真っ直ぐにして、その後左右に傾かないように調整していきます。
1.前後方向
前後方向では、骨盤、腰、胸の3段階で真っ直ぐにしていきます。
最初にいつもどおりに座ります。その時お尻のどのあたりに重心(一番体重がかかっているところ)があるかをチェックします。猫背の場合は尾てい骨のすぐ下辺りに重心が来ていることが多いです。お尻前ずらしで座っている場合は仙骨あたりに重心があります。下の2つはガスもれに人によく見られる座り方です。
これらの良くない姿勢を真っ直ぐにしていきます。真っ直ぐな場合の重心の位置は肛門の少し前にきます。下の画像が目標の姿勢です。
では姿勢を直していきます。下の写真は猫背の座位で、骨盤が後ろに倒れているのが見えます。まず骨盤を真っ直ぐにします。しっかりお尻を持ち上げて垂直に立てるようなイメージです。重心をチェックして肛門の少し前にあれば、OKです。
次に腰を真っ直ぐにします。骨盤を立てた時に腰が前に反ってしまうことがよくあります。前に反っているとすぐ腰が痛くなり姿勢が維持できませんので、真っ直ぐの腰に戻します。チェックのやり方は腰の部分の背骨の脇の筋肉を触ってみてください。固く盛り上がっていれば前に反っていますので、腰の部分だけ少し猫背にしてみてください。背骨の横の筋肉の力が抜けて、背骨近辺が平らになっていればOKです。逆に背骨が盛り上がれば猫背になりすぎですので、少し戻してください。
骨盤、腰と真っ直ぐにしてきました。最後に胸ですが、この時点でだいたい前に傾いているか肩が前に丸まった状態になっています。肩を少し後ろに引いて、胸を張ってください。以上で完成です。
誰かに横から写真を撮ってもらえれば、よりわかりやすくなるでしょう。
2.左右方向
前後方向で真っ直ぐにした後は左右方向で真っ直ぐにします。最初にお尻の付け根にある左右の坐骨に意識を集中して、それぞれ均等に体重がかかっているかをチェックします。どちらかに片寄っていれば、少し戻して両方同じように体重がかかるように調整します。
わかりにくい場合は、あえて左右に動かしてみてずれを意識してから、均等にかかるようにしてください。
これで真っ直ぐな座位の姿勢が完成しました。
この状態では肛門がしっかり閉まっているため、おならをしようとしても非常に出しにくくなっています。ただお尻に力を入れると緩みやすくなるので、力は抜いておきましょう。
この姿勢は常にどんな時も維持するように努力しましょう。食事中やテレビを見ている時、電車に乗っている時などに油断しがちです。まずは3ヶ月、この期間がんばると癖付きます。
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