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神経因性骨盤臓器症候群(NIS)の鍼灸治療

神経因性骨盤臓器症候群(NIS)とは高野病院の高野正博先生が提唱されている疾患です。NISとは簡単に言うと、仙骨神経の障害を原因とする様々な直腸肛門の症状のことです。

高野病院については下記のリンクからご覧ください。

また、高野先生の書かれた「誰にも尋けないおしりの難病」という本にNISについて詳しく載っています。下記のリンクに私の書いた書評がありますので、参考にご覧ください。

当院は高野病院とは関係ありませんが、NISと同じような症状に長年取り組んできまして、実際に多くの人が良くなっています。
また、高野病院に入院するのが難しい方、高野病院を退院してアフターケアとしてこちらに通院されている方も多数いらっしゃいます。
 
NISの症状の中で、当院の治療で確実に効果があったものを下に挙げています。当てはまる方はぜひ当院の鍼灸治療をご検討ください。
 
 
 

鍼灸で効果のある症状

排便関連
・便がすっきりと出ない
・細い便が出て、すっきりしない
・強烈な残便感
 
ガス・匂い関連
・ガスが勝手に出ていく
・ガスを止めたくても止められない、我慢しきれない。
・おならをした自覚がなくてもおならの匂いがする。周りから臭いと言われる。
・便の匂いがする。特に排便後が強い。
 
肛門・直腸関連
・肛門の奥や直腸辺りが突き上げるように痛む。特に排便後や生理時に痛みが強くなる。
・肛門の違和感。痙攣するような感じや挟まったような感じ。
・肛門周りが常に湿っている。よく汗をかく。熱感を感じる。
 
性器関連
・陰部に痛みを感じる。男性の場合は睾丸が痛くなることが多い。
・陰部に何とも言えない不快感を感じる。
 

症状が起こる原因

このような症状が起こる原因にはいろいろあるのですが、その中でも一番多くかつ鍼灸で効果のある陰部神経の障害について説明します。
 
陰部神経とは仙骨の脇からお尻の筋肉の間を通って肛門や性器へとつながっている神経です。
この神経に長期間繰り返し圧迫が加わったり、通り道にある筋肉が過度に使用されるなどで凝り固まり神経を強く挟み込んだ状態になると上記の症状が起こります。
よく長時間正座をすると足が痺れて動けなくなることがありますが、これと同じような状態が肛門や生殖器に起きているわけです。
 
この神経への圧迫や挟み込みは次のような原因で起きることが多いです。
 
・姿勢が悪い(一番多いパターン)
お尻を前にずらして座る、猫背で骨盤を後ろに倒して座る。この姿勢で長時間過ごしていると体重で神経を圧迫し、結果として神経障害が起こります。猫背だけではなく、足を組むなど片方のお尻に体重をかけ続けても起こります。
このパターンの特長として、お尻の割れ目に沿った真ん中寄りの筋肉が固くなっています。
 
・常にお尻に力を入れている
人前でうっかりおならをしてしまったなどをきっかけに、気にするあまり必死でお尻全体で締め付けようと力を入れているとこの症状が起きてきます。中には緊張するあまり、力を入れていることが自分でわからない人もいます。
こちらの場合、お尻全体が固くなっていることが多いです。
 
・歩き方、足の力の入れ方が変わった
これは年配の方に多いパターンです。しりもちをついたり膝や股関節の手術をした結果足に力を入れにくくなり、その分お尻に力を入れて姿勢を保とうとするのですが、そのためお尻の筋肉を使いすぎ凝り固まった状態になります。杖やキャリーバッグを使用される方にも多いです。
 
また圧迫や挟み込みがあるとは限らないのですが、以下の場合をきっかけに発症することがあります。
・痔の手術、特にジオン注射など。
・帝王切開、子宮の手術、堕胎手術など。
 

なぜ鍼灸が効くのか

上記の説明より、この症状を改善させるには陰部神経を元通りに機能するよう回復させなければなりません。
 
鍼灸施術は、この神経の通り道にある凝り固まった筋肉を鍼で刺激してほぐすことにより、圧迫を取り除き元の状態に戻していきます。神経自体も鍼で刺激して、ちゃんと動けるようにしていきます。
特に対象となる陰部神経や筋肉は、お尻という場所柄深い位置にあります。鍼はこの場所に直接届いて作用しますので、確実に効果があります。
 

鍼灸治療の利用の仕方

凝り固まった筋肉をほぐしたり神経の回復を図るのには、どうしてもある程度の時間がかかります。したがって一定期間通院を続けることが必要です。
 
治療回数は症状にもよりますが、数回~10回前後かかります。
通院間隔は痛みが激しい場合は3日おきくらい、それ以外は1~2週間に1回をおすすめしています。
 
施術内容ですが、まずお尻に鍼をして筋肉を柔らかくし、神経に刺激を与えます。
その後、排便やガス関連の症状がある場合は、腸の動きを整える施術をします。
姿勢や身体の動かし方に原因がある場合は、関連する場所も施術します。
これらは症状と原因によりいろんなパターンがありますので、実際にお身体を診て決めていきます。
施術範囲も肩や腰、お腹など様々な場所の中から選びます。
 
鍼灸施術を受ける注意点として、施術範囲がお尻の上半分になりますので、ある程度下着を下げます。ご了承ください。
女性の方は下着をTバックにしていただけると、下着を下げることなく施術できます。
また生理時ですが、通常サイズのナプキンであれば施術範囲に入りませんので、治療ができます。
もちろん嫌な場合は、生理後にご来院くだされば大丈夫です。
 

日常生活で気をつけること

日常生活で以下のことに気をつけて過ごされると、症状の悪化を防ぎ治療の効果を高めます。

・全症状に共通
ほとんどの人がお腹と腰回りが冷えています。手足が冷えていなくても、胴体は冷えています。冷えは大敵ですので、とにかく身体を冷やさないようにして、温めるようにします。
お風呂にしっかりつかる(半身浴で20分以上)。
腹巻パンツなどを身につけて腰回りを温かくする。
冷たいものの飲食は控える。アルコール類は冷たいものが多いので、温かいものに切り替えましょう。
 
・ガスや肛門の症状
陰部神経の障害は姿勢が原因になっていることが多いです。したがって姿勢を矯正して、陰部神経に影響しないようにしなければいけません。
 
前ずらしで座る、猫背などは大きな原因になっています。姿勢について詳しくは
 
立っている姿勢では、猫背や骨盤が後ろに倒れてお腹ポッコリ状態の姿勢など。
おすすめとして当院ブログの記事の
で紹介している書籍に正しい姿勢の写真と解説が載っていますので、これらを参考に自分の姿勢をチェックして正しい姿勢に直します。
 
・お尻に力を入れないようにする
元々匂いを気にした結果、肛門を閉じようと力を入れだしたと思うのですが、そのままではさらに症状を悪化させてしまいます。
周りが気になったり緊張した時にお尻を触ってみて、固く力が入っていれば何としてでも力を抜いてください。
力を入れている自覚が無いことが多いので、できるだけ触ってチェックしましょう。
 
・お尻の筋肉が凝り固まっている
上記にある姿勢が悪かったり、お尻に力を入れすぎていたりすると、お尻の筋肉は凝り固まってしまいます。
この凝りが神経をはさんで障害を起こしますので、凝りをほぐす対策をとります。
お尻を温める、大股でウォーキングをしておしりの筋肉をよく動かす、ストレッチをする、などが対策になります。
ストレッチは、「大殿筋ストレッチ」「梨状筋ストレッチ」ということばを検索して参考にされるといいでしょう。

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