〒144-0052 東京都大田区蒲田5丁目42-6 蒲田ハイツ 505号
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ガスもれの治療では、鍼灸治療と併行して下記の「日常生活で気をつけること」を実行すると、効果がよりいっそう上がります。当院の治療を受けられない方も、ガスもれの症状を減らすことが可能ですので、ぜひやってみましょう。
ガスもれに対して普段から気をつけることは大きく分けて3つがあります。
・ガス自体を減らす
・ガスもれを起こしたり悪化させる姿勢を直す
・できるだけガスもれを意識しないようにする
ではそれぞれを詳しく解説していきます。
ガスもれの人はそもそも過敏性腸症候群ガス型になっていることがほとんどで、通常より腸にガスが多く溜まっています。このガスを減らせばもれも当然減っていきます。また治療が進んで肛門がしっかり締まるようになると、ガスを止められるようになりますので、我慢する機会が増えます。これがストレスになりますので、ガスを減らしておくことが重要です。そのためには以下の対策をとりましょう。
・お腹の冷え対策
お腹が冷えていると、腸の動きが悪くなりガスが増えます。冷えているかどうかのチェックは、トイレに行った際に下腹部やお尻を触ってみて、冷たければお腹が冷えています。また足が冷えていてもお腹に影響が出ます。こちらは足首が冷たければ冷えています。お腹と足を冷やさないため次のような対策をとりましょう。
毎日半身浴を行う
つかる時間は20分以上。お風呂は必ず寝る直前に入ってください。朝風呂特に朝シャワーは身体が冷えますので、極力避けてください。
腹巻きを使う
お腹の冷えには腹巻き、特に腹巻パンツの使用をおすすめします。無い場合は毛糸のパンツなどで重ね履きをしましょう。カイロを使う場合は、場所はおへその下の下腹部で布2枚の上から貼ってください。1枚だと低温やけどになることがあります。
足首を温める
足首が冷えると下半身全体が冷えてきますので、お腹にも影響が出てきます。足首の冷え予防には、タイツかレッグウォーマーを着用しましょう。
・食べ物対策
食べ物によってはガスが発生してお腹が張ったり、腸の動きが増したり、下痢になったりします。どれが良くないかは人によって違いますが、調子が悪くなる確率が高いものを列記します。できれば、何を食べたか毎回メモをとって、調子が悪くなればメモを見返して怪しいものを避けてみるなどフィードバック作業をしてみることをおすすめします。もちろん治療が進めば大丈夫な物も増えてきますので、ご安心ください。
注意 ここに書かれている食べ物は全て禁止というわけではありません。できる範囲で控えればOKです。実際小麦を完全に避けるのは無理ですし、いくら食べても調子が悪くならない人もいます。是々非々で避けられるようでしたら避けましょう。
控えたほうがいいもの
冷たい食べ物
小麦を使っている食べ物 パン、お菓子、栄養補助食品、お好み焼き、餃子など
乳製品 ヨーグルト、生クリームなど
油もの フライ、天ぷら、ラーメン、カレーなど
その他 チョコレート、アイスクリーム、じゃがいも、さつまいも
食べたほうがいいもの
温かい食べ物
和食系の食事 魚、海藻など
根菜類 里芋、大根、人参など(じゃがいも・さつまいもは除く)
・飲み物対策
飲み物も重要です。ガスの症状がある人はたいていお腹が冷えていますので、冷たい飲み物はできるだけ控えましょう。特に炭酸飲料はガスが増えますので、避けることをおすすめします。
注意 ここに書かれている飲み物は全て禁止というわけではありません。できる範囲で控えればOKです。ただできるだけ冷たい飲み物は控えましょう。
控えたほうがいいもの
冷たい飲み物、炭酸飲料、牛乳、コーヒー、ココア、アルコール飲料
飲んだほうがいいもの
温かい飲み物(コーヒー、ココア除く)
お酒に関してですが、どうしても飲みたい人もいるでしょう。その場合はビールやチューハイなどは最初の一杯だけにして、次は温かいお酒(焼酎のお湯割り、燗酒、ホットウィスキーなど)か常温のお酒(赤ワインなど)を飲むようにしてください。
・運動対策
全身運動をすることで腸の自律神経が整います。ポイントは全身運動で、特定の筋肉の運動(いわゆる筋トレ)はおすすめしません。特に腹筋のトレーニングはお尻や腰を痛めやすいので避けたほうがいいでしょう。おすすめはランニング、球技、ダンスなどですが、できない場合はゆっくり大股でウォーキングをしましょう。
ガスもれにおいて、姿勢というのは非常に重要です。もれが起きている場合、
・肛門をコントロールする神経を圧迫する姿勢
・肛門が緩みやすくなる姿勢
この2つの姿勢をとっていることがほとんどで、直さなければますます悪化していきます。
では良い姿勢とそのやり方ですが、以下のコラムに詳しく解説してあります。しっかりと読んで、良い姿勢を身に付けましょう。最低3ヶ月は続けてください。
ガスもれは心の状態に非常に影響されます。
気にすればするほどひどくなりますし、逆に他のことに集中しているとガスもれのことを忘れて平穏に過ごせたりします。また自宅にいれば大丈夫とか、人が周りにいれば気になって症状が出るというように、心が影響している経験をほとんどの人がお持ちでしょう。
したがって気にしなければもれにくくなり症状の悪化を防ぐことができます。そう、気にしなければOK、気にしないほど良くなっていきます。と、ここまで読んで「そんなことは分かってる!」「できるならとっくにしているわ!」と叫ぶ皆さんの心の声が聞こえてくるようです。その通りなんですが、でも気にしていても状況が良くなることはありません。
どのようにしたら気にすることを減らせるのか、気にせず過ごせるようにできるのか、次のような順番で状況を整理して意識を変えていきましょう。
1. 自分のガスもれの症状と状況を整理する
まずは次の2つのこと、
・どんな症状が起きた時にガスもれと感じたのか
・それはどんな状況で感じることが多かったか
これらをノートやスマホなどに記入してみてください。なぜこんな事をするかと言うと、ガスもれとみなしている症状は様々にあり、それぞれで原因や対策が違うからです。例えば肛門に違和感を感じたのでもれたという場合は、姿勢やお尻に力を入れすぎるなどに原因があります。直腸が動いたり痙攣したりする時にもれたという場合は、神経や腸の動きが悪いことが原因になります。対策もそれに応じて変わってきますので、自分が何をもってもれたと考えているのかをしっかり書いてみましょう。
またその時の状況も対策に役立ちますので、今までを思い出しながらできるだけたくさん書きましょう。
例1
症状:おならや便の匂いがする
状況:電車など人が多いところで座っているとき
例2
症状:肛門にスーという感覚や熱感がある
状況:人が後ろにいる時、ガスを我慢しているとしばらくして症状が出てくる
2.自分の癖を自覚する
ガスもれを気にする時には、ある特定の考えや行動をとっていることがよくあります。意識してそうしている人もいれば、無意識でしている人もいます。この考えや行動をわかりやすいように、癖と呼ぶことにします。気にすることで起こしている癖と、もれ対策で良かれと思って行っている癖があるのですが、どちらもだいたいは治るどころか悪化していることが多いです。したがってよくない癖があれば、ぜひ無くしていかなければいけません。
先程の1.の「自分のガスもれの症状と状況を整理する」の状況の箇所で癖が含まれていることが多いので、そこを見直しつつ書いてみましょう。
例 行動の癖
ガスが後ろの人にいかないよう、お尻を前にずらして座る
壁側にガスがいくように、壁側のお尻を持ち上げて座る
もれないようにと気にするあまり、常にお尻に力を入れる
食べるとひどくなるような気がするので、朝と昼の食事を抜く
例 考えの癖
電車に乗ったら、鼻をすすったり咳をしている人などの「周りの反応」を一生懸命探してしまう。
周りが「臭い」「くさっ」などの言葉を話していないか、常に注意している。
家族や友人が「匂いしないよ。」と言っても、どうしても信じられない。
何でも匂いに結びつけてしまう。例えば電車で隣に人が座らないとか隣の人がガムを食べ始めると自分が臭いせいだと考えてしまう。
3.気にならない場合を増やして自信に変えていく
上記の癖は、ガスもれを悪化させたり原因そのものになっていたりします。現時点でガスもれの症状が良くなってないのなら、癖を直していかなければなりません。といっても一度に全ては無理でしょうから、何とか直せそうと思ったものから少しずつ変えていきましょう。
まず1.で書き出した症状が無ければもれていない、状況が当てはまらなければもれていないと信じます。
次に行動の癖を変えていきます。座り方に癖があるなら気づいた時でいいのでまっすぐに直す、お尻に力を入れているなら、こまめにチェックして力を抜くようにするなど。
考えの癖についてはなかなか変えるのが難しいのですが、まずその考えになってしまうのは仕方がないが、この場合だけ大丈夫とかこうすればその癖が起きないようだというパターンを探してきます。
例えば電車では周りの反応が気になるが、スマホのゲームをやっているときは大丈夫だったとか、朝しっかり排便すれば症状が出ないので気にしなくてもよさそうだなど。そこから少しずつ上記の考えの癖にならないようなパターンの範囲を拡げていきます。
このようにして、少しずつ大丈夫な場合を増やしていきます。行動の癖はもれの原因となっていることが多いので、直すことで症状が減り気にすることも減ります。考えの癖も直っていけば症状はさらに減っていきます。症状が減っていけばそれが自信になり、気持ちが安定してさらに良くなっていきます。大変ではありますが、いろいろ工夫して意識を変えていきましょう。
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